おうちで生物多様性

ベランダで多様な生き物を迎える コンテナの選び方・使い方とガーデンアイデア

Tags: ベランダ, コンテナガーデン, 生物多様性, 都市, ガーデニング初心者, 植物選び

はじめに

都市部にお住まいの場合、自然に触れる機会が少なく、生物多様性とのつながりを感じにくいかもしれません。しかし、私たちの身近な場所、特にベランダのような限られたスペースでも、少しの工夫で多様な生き物を迎えるための環境を作ることができます。本記事では、ガーデニング初心者の方でも手軽に取り組める、コンテナ(鉢)を活用した生物多様性ガーデンのアイデアをご紹介します。

なぜベランダのコンテナガーデンが生物多様性につながるのか

都市における生物多様性は、かつてのような連続した緑地が失われ、分断された小さな緑の空間に支えられている側面があります。ベランダのコンテナガーデンは、一つひとつは小さくとも、これらが集まることで都市の「緑のネットワーク」の一部となり得ます。

特に、様々な種類のコンテナを使い分けることで、一つのベランダ内に日向と日陰、湿った場所と乾いた場所など、多様な環境を作り出すことが可能です。このような多様な環境は、様々な植物が生育するのを助け、結果として、それらの植物を利用する昆虫、鳥、微生物など、多様な生き物を呼び寄せることにつながります。

多様な環境を作るためのコンテナ選び

生物多様性を育むコンテナガーデンでは、単一の種類の鉢を並べるのではなく、形、サイズ、素材の異なるコンテナを意図的に選びます。

サイズと深さ

素材

コンテナの色も、土の温度に影響を与えます。濃い色の鉢は熱を吸収しやすく土温が上がりやすい一方、薄い色の鉢は土温が上がりにくい性質があります。植える植物の種類や、設置場所の日当たりに合わせて選ぶと良いでしょう。

多様な環境を作るためのコンテナの使い方と配置

様々な種類のコンテナを準備したら、次にそれらをベランダ内で効果的に配置します。

環境別おすすめ植物例

多様な環境を作るために、それぞれのコンテナに植える植物も多様な種類を選びます。できるだけ地域の気候に合った在来種の植物を選ぶと、地域の生き物にとってより馴染み深く、利用しやすい環境になります。

これらの植物を組み合わせることで、花蜜を求めるハチやチョウ、葉を食べる幼虫、それらを捕食するテントウムシやカマキリ、土壌動物など、多様な生き物が訪れる可能性が高まります。

コンテナガーデンで多様な生き物を迎えるさらなる工夫

コンテナの選び方や配置、植物以外にも、さらに生物多様性を高めるための工夫があります。

虫への懸念について

生物多様性ガーデンでは、様々な虫が訪れることを歓迎しますが、「虫が増えすぎるのは困る」「苦手な虫がいる」といった懸念をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

生物多様性が豊かな環境では、植物を食べる虫(いわゆる害虫)が増えても、それを餌とするテントウムシやカマキリ、クモなどの益虫や鳥が増え、特定の種類の虫だけが異常に増える「バランスの崩れ」が起きにくくなると言われています。

どうしても気になる場合は、まず物理的な対策(手で取り除くなど)を試み、必要に応じて植物由来の成分など、環境への負荷が少ない方法を検討します。過剰な殺虫剤の使用は、益虫も含めて生態系全体のバランスを崩してしまう可能性があるため、できるだけ避けることが望ましいです。

管理のポイントと失敗しないためのヒント

まとめ

ベランダのコンテナガーデンは、都市部で手軽に生物多様性向上に貢献できる素晴らしい方法です。様々な種類のコンテナを使い分け、異なる環境を作り出すことで、限られたスペースでも多様な植物を育て、様々な生き物を迎えることができます。

難しい知識や特別な技術は必要ありません。まずは小さな鉢をいくつか用意し、異なる種類の植物を植えてみることから始めてはいかがでしょうか。あなたのベランダが、都市の生物多様性を支える小さな拠点となることを願っています。